■朝時間は自分がワクワクすることをやろう
『朝時間が自分に革命をおこす 人生を変えるモーニングメソッド』ハル・エルロッド著
全米でヒットしたのち、世界20カ国で大流行したという本書。
酔っぱらい運転のトラックと衝突して6分間心肺停止になった男が、朝を変えることで奇跡の復活を遂げた--。
医師に「一生歩けない」「治らない脳の障害を負った」と言われたにもかかわらず、
男は、仕事では過去最高成績をあげ、フルマラソンどころかウルトラマラソンを完走し、
事故で損傷した脳の短期記憶の障害を克服した。
…とドラマティックな本紹介がありますが、正確にいうと脳障害を負ったあとに営業マンとして大成功したものの、リーマンショックで大金を失い、経済的危機に陥ったあとモーニングメソッドで立ち直った。
というわけで、モーニングメソッドで障害を克服したわけではありません。とはいえ、脳に障害を負って短期記憶がおぼつかなくなったに関わらず、それを“思い込み”とみなして克服した点は、彼のスゴいところであることは変わりありません。
ざっくりまとめると、朝の時間に下記を30〜60分かけて実践することを勧めています。時間がない時は、ぞれぞれ1分ずつでもいいとハル氏はいいます。
瞑想…自分に意識を向けて静かな時間を味わう
読書…自分の読みたかった本を読む
呪文…ポジティブな言葉を使った自己暗示や宣言。なりたい自分になるパワーをもらう
妄想…憧れの写真などを集めて、実現した時の自分を想像して体感する
日記…感謝している、自分の誇りことを書く。今日出したい結果を3つ書く
運動…ヨガ、ストレッチ、筋トレなど好きなものを
素晴らしいのが、朝時間に仕事しよう!とか、勉強しよう!とか直接的な生産ベクトルじゃないことです。ほら、だって勉強とか仕事とか言われて、ワクワクする人っています? いや、私も仕事は好きですが、なかなか始めるまでは気が重いじゃないですかあ…。
ハル氏の提案する6つのアクションは、忙しい現代人が心のどこかでやりたい、やってみたいと思っていることを朝時間にやっちゃおう!と提案していることに魅力があると感じました。言うなれば、遊びに近いんです。
だから、ハル氏はこれらの6つをやろうとしたときに、クリスマスの朝に目覚めるような前向きな気持ちで目覚めたといいます。早起きが苦手だと自認していたに関わらず。
■大切なのは、自分の可能性に気づくこと
早起き継続のためのノウハウは、いろいろ提案してくれています。
前夜のうちに意志を固めるとか、アラームをベッドから遠ざけるとか、歯を磨く、運動できる服に着替える、睡眠時間は○時間必要という思い込みをなくす、10日間つづけてみる等々。どれも参考になるTIPSだと思います。
とくに私が感銘を受けたのは、ハル氏の「自分で(いつのまにか)決めた自分の限界を破っていこう」というスタンスです。
ハル氏はこう語りかけます。
お前ら、まだ本気で生きたことがないんじゃないか?難しいよな。でも、早起きすると、やる気ベクトルが上向きになって、自分に自信が湧いて、自分史上最高バージョンの自分になれるんだぜ、今日から「理想の人生」を受け入れる覚悟をしような!(意訳)
ということを繰り返し語りかけます。
は、そうだ。私まだ本気で生きてなかった、かも的な。
脳障害で短期記憶ができないと言われたハル氏、
走るのが嫌いで高校卒業以来ほとんど運動してこなかったのに、おじさんになってから走ることに目覚め、ウルトラマラソンに挑戦しちゃうハル氏
そんなエピソードを見ていると、何歳から始めても大きな可能性が残されていることがごく当たり前のことだとすんなり信じられます。
さあ、今日何をしよう?前向きな気持ちになるのに、早起きはいいスイッチだと感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!