一日一磨き読書日記 NO LIFE NO BOOK

本好きライターcoyasuのつぶやき

『ふたりはともだち』アーノルド・ローベル

 

子供の頃に読んだ絵本や小説は、記憶の宝物です。

『ふたりはともだち』の中の「お手紙」は国語教科書に入っていました。私の場合、内容はほとんど覚えておらず、絵本の挿絵を穴が開くほど眺めていました。

動物が可愛らしい家に住んでいるという設定が好き。

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『ふたりはともだち』には5つの短編が掲載されています。

その中の「お手紙」は、これまで手紙を受け取ったことがないと悲しむがまくんに、親友のかえるくんがこっそり手紙を書いてあげる、というストーリーです。

なかよしである、がまくんとかえるくんは、いつもお互いを喜ばせるために、一生懸命です。

まわりの人に対して、こんな思いやりある行動をしているかと思うと、いつも仕事や日常のことに追われて、人や時間など大切なことが二の次になっている自分に気づきます。

あっという間に読めるけど、その後じわじわと心に沁みてくる。

絵本こそ大人に必要なのではないかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

『私のライフスタイル』ブルック・シールズ

ブルック・シールズといえば…天皇陛下が若き日にファンだった女優さんです。

青い珊瑚礁代表作はやっぱりこれ?

彼女の全盛期は詳しく知らないのですが、この本を読んで以来、尊敬する女性の一人でした。

読んだのは高校生か大学生ぐらい?すでに絶版となり、私の手元からもいつのまにかなくなっていましたが、このたび古本で見つかったので(当時と同じ600円)、もう一度読んで見た次第です。

当時の私は、仕事(もしくは勉強)に懸命に励み、なおかつ、おしゃれで圧倒的に美しい女性が憧れでした。

赤ちゃんの頃から芸能生活を送っていたという、ブルック・シールズはプリンストン大学に入ると、仕事を中断して学業に専念し、なんと首席で卒業します。

350ページ近くあるこの本は、タレント本らしく美容法やファッション、エクササイズに多く触れていますが、さらに際立っているのは大学生活、しかもいかに勉強に励むかについて、詳しくかなりのページを割いて説かれていることです。

あなたが大学に入ってすぐにできることのひとつは、自分によくあった日々のスケジュールをつくることです。そして、一度日課(ルーティン)を決めたら、それにきちんと従うこと。

一日の私の行動を記入するデイリースケジュールを活用しています。そこには、食事、授業、運動、図書館での勉強など、それぞれの時間を書き込みます。図書館での勉強時間は、さらに詳しくカテゴリー別に分けます。

このくらい自分の時間を気にかけていると、時間を無駄にすることもほとんどなくなります。

できたら食事の時間を友だちと会うのに使うこと。

こんなふうに、分刻みの大学でのタイムスケジュールが密に書かれています。

この過ごし方はyoutubeで見たアメリカの有名大学でキャンパスライフを送る日本人学生の動画とまったく同じです。とにかくみんなめっちゃ忙しい。そして、友だちと交流するのはカフェテリアぐらいで、あとはそれぞれに自分のスケジュールにしたがって、朝から晩まで講堂から講堂、図書館、ジムへと移動するのです。ブルックが特別というより、アイビーリーグのキャンパスライフの常識なのでしょう。

プリンストン大学 - Wikipedia

ブルックは学びについて自分なりの明確な戦略をもって取り組んでいます。

勉強するときは、まず先にいちばん簡単なこと、最後にいちばん難しいことをします。他のことをすべてかたづけてしまってからの方が、集中するのが楽だからです。

最も重要なことのひとつは、つねに時間をたっぷりとることです。テーマを決め、教授との話し合いもすませたら、すぐあなたの週間スケジュールの中にリサーチの時間をとってください。

すべてのリサーチを終えてから、私は二、三日でリポートを書き上げます。週末にぶっ通しで取り組むか、もしくは空き時間を見つけては書き続けるのです。

私のリポートの出来栄えは、私がそのために費やした時間、そそいだエネルギー、そしていかに真剣に考えたかを、そのまま正直に映し出しているような気がします。

できすぎ大学生すぎて、ついゴーストライターの存在を頭に思い浮かべてしまいます。しかし、なにしろ11ヶ月から家族(母)のために働き、大人社会でしのぎを削り、そして大学では首席という成績を残しているブルックです。ポッと出の20歳前後と比べれば、人生2、3周目に近い。

圧倒的な美貌でハリウッドで絶大な人気を博した彼女ですが、大学に入ったことで初めて自由を手に入れ、自分の喜びのためだけのために全力でこの時間と環境を生かし切りたいと考えたのだと思います。

この本で一個人としてのブルック・シールズに憧れた私ですが(彼女の女優業には興味なし)、自分の学生生活ではまったく生かされなかったのは本当に不思議です。👀

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

『ひとり旅で見つけた小さな幸せ』有川真由美

旅ってなんであんなにワクワクするんでしょうかね。

そんなワクワク感を思い起こさせてくれるエッセイストの有川真由美さんの本です。

旅先のデンマークで、ネットでつながっていたアメリカ・イギリス・スウェーデン在住の女友達たちと合流し、一緒にデンマークを旅したり、台湾留学時代の友達を訪ねたり、北海道や沖縄をレンタカーで走ったり…。

フットワークの軽快な女性はカッコいい!

有川さんは旅先でいろんな人と出会い、つかのまの忘れられない交流するのですが、そのオープンマインドも羨ましい。私も20代の頃、よくひとり旅をしましたが、ひとり旅って、人に話しかけられやすいし、自分も話しかけやすいんですよね。そのぶん、一人の時間もけっこうある。それを寂しいと思うか、楽しいと思うかは大人の分かれ目なのかもしれません。

マイルの賢い貯め方、早割の上手な入手法、空港ラウンジの楽しみ、旅の必需品など、便利アプリなど旅を楽しくしてくれる情報も満載。

ひとり旅にふらりと出かけてみたくなる。旅情を掻き立てられる一冊でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

私が再び本を読めるようになった理由〜デバイス編

📕場所取り・持ち歩きにくい…本読みの尽きない悩み

長らくライターの仕事をしていますが、お恥ずかしながら、仕事の本以外で本をほとんど読まなかった時期は結構長いです…。とくに結婚してから。

寝る前に本を読むのが好きなんですが、夫は本をほとんど読まない人なので、寝る前にベッドライトを点けて本を読んでいると苦情を言われるのです。

移動のときに読むにしても、かさばる本を持ち歩くかどうか問題。

私の部屋には身長以上の本棚が3つあるのですが(半分は仕事関係)、これ以上増やさないために「本を買ったら、本を捨てる」ルーティンが辛い

そんな悩みをごっそり解決してくれたのがKindleでした。私が買ったのは10年前。たしかまだ7000円ぐらいで第7世代。5年ぐらいはあまり使わなかったので長持ちしているのかもしれません。

もう時代は、第14世代になっているのか…。価格は19,800円ぐらいから各種。

正直、Kindleは操作性はあまり高くないです。あれから7世代も重ねてきたら、そろそろ使いやすくなっているかなと思うのですが、レビューを見ていると「操作性の低さ」を指摘している書き込みを一つ見つけたので、まだ買い替える勇気がありません…。

ただ、本のページをめくるぐらいの動作ならばストレスなくできます。なにより目への負担が多少は軽い気がします。ただし白黒なので、文字を読みたい人向けです。

📕0円でも始められる電子書籍ライフ

Kindleはスマホ版の無料kindleアプリもあります。だから、電子書籍にまだ懐疑的な人は、スマホやタブレット、PCから始めてもいいかもしれません。何しろ無料なので。

play.google.com

私はiPhoneユーザーですが、ハッキリ言って、アプリはKindle本体の3倍ぐらい操作性がいい。ノーストレス。そして、カラーなので読める本の幅が広がりますね。

そして、何よりいいのが、ネット環境にあれば、Kindle本体とスマホアプリが常に同期してくれること。

昨日の夜、寝る前にKindleで読んだ本を、朝電車の中でスマホアプリで続きを読むという芸当ができるのです✨✨✨

これは本読みにはありがたい!!!「ちょっと今日の荷物重いから、Kindleは持ち出したくない」「やることがなくて、手持ち無沙汰」というときも、スマホで読書ができてしまいます。もちろん、最後に読んだところでページが開いてくれます。

ちなみに、アプリと本体の画面を比較してみました。アプリはキャプチャ画面、本体は写真なので同じ条件ではありませんが、金原ひとみさん『ヤブノナカ』のラインを引いた部分です。スマホはラインも引きやすいし、ページめくりも早い。

スマホ(Kindleアプリ)

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Kindle

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ただ、「目に優しい」を信じて、Kindleを完全には捨て切れません。長時間読むには、目に優しく、スマホより画面が大きく、タブレットより軽いKindleに軍配が上がるかもしれません。

📕紙の本好きも、便利さには敵わない?

本当は、本当は紙の本が好きなのですが、私の本棚は飽和状態であまり増やせません。自分の家に書庫ができたら、紙の本に戻るかもしれません。

ただ…ひさびさにハードカバーの本を読むと、重いんですよね…これが。

文庫本は気持ちKindleより軽い気もしますが、ページを押さえるのがけっこう大変…。

すっかり電子書籍に飼い慣らされた体になってしまったようです。

ということで、意外と本を読めなくなったのは「デバイス」の問題かもしれません。私はKindleにしてから、読み切れる本が増えてきました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

『盆土産と十七の短編』三浦哲郎

「えびフライ、と呟いてみた。」で始まる中学2年国語教科書掲載の『盆土産』。光村図書だった人ならば、記憶に残っている人も少なくないかもしれません。あの、「えんびフライ」です。

恥ずかしながら、私には「えびフライがやたらと美味しそうな短編」という記憶しかなく、それでもやたらと脳裏に残っている作品でした。そして、十分すぎるほど大人になって読み返した今、東北の貧村の家族の絆が描かれた切ない小説だったと知るに至ったのです。

それは出稼ぎで東京で働く父からの便りから始まります。

「盆にはかえる。十二日の夜行に乗るすけ。みやげは、えびフライ。油とソースを買っておけ」

祖母と姉と少年の三人は「えびフライ」という未知の食べ物に興味津々。えびフライと上手に言えなくて思わず「えんびフライ…」という言葉が漏れます。

そして、父が盆に上野駅から夜行で8時間、ドライアイスで冷やしながら懸命に持って帰ってきたえんびフライに、久々に揃った家族四人で舌鼓を打ちます。

あんまりに美味で、翌日に墓参りに行く道中、祖母は「なまん、だあうち(南無阿弥陀仏)」と言う念仏に「えんびフライ…」という言葉が混じっているのを少年は耳にします。少年は、亡くなった祖父や母親に昨晩のえびフライを報告しているのだろうかと考え、

早死にした母親は、あんなに旨いものはいちども食わずに死んだのではなかろうか

と心を重くします。

翌日、父は出稼ぎ先にトンボ帰りで戻るためにバス停に向かいます。少年は父を見送りながら、しゃくり上げそうになって言葉が出てきません。そして、ようやく言えた言葉が、

えんびフライ。

父はちょっと驚いたように立ち止まり、苦笑いして

わかってらぁに。また買ってくるすけ

と言って去り、また時間をかけて東京へと戻っていくのです。

高度経済成長が始まった昭和30年代、もうこの頃から地方の空洞化は着々と始まっていたのかもしれません。東京へ仕事を求めて出稼ぎにいく父、母の不在、都会から豊かになりゆく生活――。

日本人の素朴な生き方、地方の豊かさを、今の私たちはどれだけ引き継げているのかと思います。

文部省(当時)が求める学びに到達していませんでしたが、中学生のときにこの小説を読むことができてよかったと思います。うまく言えませんが、わからないままに物語を読むことも、いつか血肉となっていくのかもしれません。

『盆土産』、平成(1990年代後半〜2000年代前半)に一時期掲載が見送られた時期もあったようですが、2006年から中学2年国語教科書に復活しているようです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

『YABUNONAKAーヤブノナカー』金原ひとみ

あなたは性的搾取ついてどう思いますか? セクハラは?不倫は?家庭内レイプは?metoo問題は?

男性や立場の強い者からの搾取や横暴、性暴力に泣き寝入りしなくいていい時代になった……はずが、世の中は良くなるどころか、ますます殺伐として殺気立ち、無数の対立と炎上が生まれているようです。

“恋愛”や婚姻関係における加害・被害の関係、性的搾取は絶対的な基準がない。見る角度、関係する人それぞれの立ち位置から、言い分があるし、正義が異なる。誰もが自分の正しさを主張し、人を糾弾し、批判する社会が生まれていく…テクノロジーがすすんでも、人間はどこまで行っても進化し得ないのかもしれません。

大手出版社の文芸誌編集長による作家志望の若い女性への性加害の告発をきっかけに、出版業界に蔓延る性的搾取問題が炙り出されていく物語です。

文芸誌元編集長と、その息子、部下の男性編集者、担当する作家、その恋人等々、さまざまな人が登場してきますが、誰もがそれぞれの自分の中の正しさを持ち、連帯することはなく、孤独に生きていく姿を描きます。

扱う題材は今日的ですが、根底を流れるのは純文学。著者がいかに文学を愛し、その限界も感じていることがわかる作品です。読書好きにはたまらない濃密すぎる読書時間でした。

実は最強の存在『おだやかな人だけがたどり着く場所』枡野俊明

曹洞宗の住職であり庭園デザイナーでもある僧侶の枡野俊明さんの著書です。

『おだやかな人だけがたどり着く場所――ブレずに成果が出せる禅的思考のススメ』は「禅の智慧」を用いて感情のゆらぎを整え、おだやかに生きるためのヒントを説いています。

■おだやかな人は、実は最強の存在である

職場の人間関係のイライラ、努力が報われないガッカリ感、過去の失敗への後悔など、心が乱されることが多くあります。本書では、感情に振り回されずにおだやかでいられる人こそが、周囲から信頼され、多くのチャンスを掴み、最終的に「幸せと成功に満ちた理想の場所(境地)」にたどり着くことができると説いています。

特別な修行は必要なく、日常生活の中で誰でもすぐに実践できる具体的なアクションが提示されています。

  • 「盛らない」自分になる:自分の実力を大きく見せようとせず、得意なことを誇らず、不得手なことも嘆かない、等身大の自分でいる心地よさを伝えています。「私は○○が苦手なんです」と打ち明けた方が人間関係は楽になります。
  • 怠ける自分に箍(たが)をはめる:禅の修行は1日のスケジュールが綿密に決められています。だらけがちな生活を「たが」にはめることで生活が整います。禅では行住坐臥、行く・住まう・座る・寝ると生活のすべてが修行としています。生活を整えることはすなわち修行なのです。
  • 損得を捨てて「縁」で生きる:人付き合いでも仕事でも選り好みをしたくなるのが人心。しかし、禅では縁があるほうを優先しなさいと説きます。最初にやってきた縁を大切にすると、縁が縁を呼ぶ形で良縁が舞い込んできます。
  • 仕事と家庭を「結界」で分ける:私たちに身近にある結界といえば、お寺や神社の参道です。参道は俗界と浄域を分ける結界なのです。生活においても仕事モードと家庭モードを分ける結界が必要です。家の最寄駅、スーツを脱ぎ着するとき、など自分で「結界」を決めておくと、気持ちの切り替えがスムーズになります。

■読むだけで気持ちが整う、枯山水のような本

枡野俊明さんの著書は初めて読んだのですが、なるほど仏教とはこうやって人生で活用できるのだとあらためて学びがありました。枡野さんは禅の庭園デザイナーとして世界的に有名だそうです。

私仏教は詳しくありませんが、枯山水のような禅の庭園が好きです。京都に行くとお寺の縁側に座って時間を忘れて眺めてしまいます。3月に訪ねて良かったのは、京都・建仁寺のお庭。

 

https://oniwa.garden/kenninji-temple-honbo-garden-%E5%BB%BA%E4%BB%81%E5%AF%BA%E6%9C%AC%E5%9D%8A%E5%BA%AD%E5%9C%92/

枯山水のすごさは見る人を「無」にしてくれるところだと思います。なんか刺激がないんですよね、いい意味で。何も考えない、ひたすら気持ちいい。ただ今あるだけでいい、今のこの時だけをずっと味わっていたいという気持ちになりました。これぞ「おだやか」か。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。